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HOME > ブログ > 事実婚(内縁) > 児童扶養手当上の事実婚の定義を参考にしてみる
ブログ
児童扶養手当上の事実婚の定義を参考にしてみる
公開日: 2020年6月24日 更新日:2021年6月18日
「どうやったら事実婚として認められるのだろうか?」
といったことでお悩みの方のために、少しでも参考になればということで
今回は、児童扶養手当上、
事実婚の定義をどのように解釈しているのかについてみていきたいと思います。
遺族年金の請求において「事実婚」として認められるのとは、その認定方法が異なるとは思いますが、参考にできる部分はあります。
ちなみに、事実婚(内縁)の妻が遺族年金の受給が認めらえる為には、自分達が「事実婚であったこと」を証明する必要がありますが、児童扶養手当を受給されている方の場合、事実婚の相手がいると支給停止となりますので、「事実婚でなかったこと」を証明する必要が出てくるという問題があるようです。
それでは、児童扶養手当上の「事実婚」に対する規定がどうなっているのか、
「事実婚」についての代表的な通知を2つと、事実婚では無いと不服申し立てした事例をご紹介します。
1.昭和55年課長通知
○児童扶養手当及び特別児童扶養手当関係法令上の疑義について
(昭和五五年六月二三日)
(児企第二六号)
(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生省児童家庭局企画課長通知)
標記については、昭和四十八年五月十六日児企第二八号をもつて通知しているところであるが、今般別添のとおりその内容の一部を改めることとしたので、御了知のうえ、今後の事務取扱い上の参考とされたい。
なお、今回の主要な改正及び追加事項等は、左記のとおりである。
追つて、昭和五十三年六月九日児企第二二号本職通知「児童扶養手当関係法令上の疑義について」は廃止する。
記
1 事実婚の範囲について
(1) 児童扶養手当は、母がいわゆる事実婚をしている場合には支給されない。(児童扶養手当法第四条第二項第七号及び第三条第三項)これは、母が事実婚をしている場合には実質上の父が存在し、児童はその者から扶養を受けることができるので、そもそも児童の養育費たる性格をもつ本手当を支給する必要性が存在しないからである。
従来事実婚の解釈については、いわゆる内縁関係にある場合であつても当事者の関係が民法に規定する重婚の禁止(第七百三十二条)、近親婚の制限(第七百三十四条)、直系姻族間の婚姻の禁止(第七百三十五条)又は養親子間の婚姻の禁止(第七百三十六条)のいずれかの規定に抵触する場合には、事実婚には該当しないものとして取扱い、手当を支給してきた。
しかしながら、児童扶養手当の趣旨、目的からみると、かかる場合には、実質上の父が存在し、手当を支給する必要性が存在しないばかりでなく、かかる場合に手当を支給することは、民法も禁止しているように社会一般の倫理観に反し、非倫理的な行動を助長しているとの批判を免れないところである。
例えば近年いわゆる未婚の母の受給者が増加しており、その中には妻子ある男性と同居している事例がかなり見受けられるところであるが、かかる場合には手当を支給する必要性は何等存在しないものである。
よつて、今回、事実婚の解釈については、当事者間に社会通念上夫婦としての共同生活と認められる事実関係が存在しておれば、それ以外の要素については一切考慮することなく、事実婚が成立しているものとして取り扱うこととした。
また、事実婚は、原則として同居していることを要件とするが、ひんぱんに定期的な訪問があり、かつ、定期的に生計費の補助を受けている場合あるいは、母子が税法上の扶養親族としての取り扱いを受けている場合等の場合には、同居していなくとも事実婚は成立しているものとして取り扱うこととした。
(2) 今後、新規認定に当たつて、事実婚の範囲については前記の解釈に従つて取り扱うとともに、既に受給している者についても毎年の現況届、民生・児童委員等の報告等に基づき事実婚が発見された場合には受給資格喪失の処分を行うこと。
2.平成27年課長通知
○児童扶養手当の取扱いに関する留意事項について
(平成27年4月17日)
(雇児福発0417第1号)
(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課長通知)
児童扶養手当の事実婚の解釈については、「児童扶養手当及び特別児童扶養手当関係法令上の疑義について」(昭和48年5月16日付け児企第28号厚生省児童家庭局企画課長通知)において、「当事者間に社会通念上夫婦としての共同生活と認められる事実関係」が存在していれば、事実婚が成立しているものとして取り扱うこととされているところである。
事実婚に該当するか否かの判断に当たっては、個々の事案により受給資格者の事情が異なることから、形式要件により機械的に判断するのではなく、受給資格者の生活実態を確認した上で判断し、適正な支給手続を行っていただくようお願いする。
なお、いわゆるシェアハウスで居住する場合等における児童扶養手当の運用に関して疑義が生じていることから、生活実態の確認方法や具体的事例に則した考え方を別紙のとおりまとめたので、事務取扱上の参考とされたい。
あわせて、管内市(指定都市、中核市、特別区を含む。)町村に対する周知について、特段の配慮をお願いする。
別紙
(答)
いわゆるシェアハウスなど、リビングルーム、浴室、トイレ等の共有スペースと個室スペースで構成されており、不特定多数の世帯が入居することが可能となっている一つの建物に受給資格者が居住している場合においては、その居住形態は様々な形態が有り得る。
このため、「シェアハウス」など名称の如何を問わず、当該建物に入居している事実のみをもって資格喪失要件に該当すると判断するのではなく、受給資格者が特定の異性との間に社会通念上夫婦としての共同生活と認められる事実関係が存在しているかどうか、入居時の経緯や入居状況、生計同一関係等の事実関係を総合的に勘案の上、個別に判断されたい。
具体的には、
・ 個室スペースに施錠が可能であり入居者同士が互いの個室スペースに自由に出入りできないようになっている、
・ 入居者がそれぞれ別世帯であることが賃貸借契約書で確認できる、
・ 光熱水費の使用料が按分されているなど生計を異にする事実があり、当該事実について客観的に確認できる書類がある、
・ 入居者が多数存在する、
など、特定の異性との事実婚が疑われるような生活実態ではない場合には、社会通念上夫婦としての共同生活があると認められる事実関係が存在せず、資格喪失要件に該当しないと考えられる。
なお、居住形態や入居する他の者との関係で、特定の異性との事実婚の疑義が生じる場合には、受給資格者等に事実関係の確認や必要な書類等の提出を求める等した上で、適正な受給資格の認定を行われたい。
(答)
従兄弟・叔父等の親族と同居していることをもって事実婚と取り扱うのではなく、例えば、同居に至った経緯や理由、当事者以外の親族との同居の有無、生活状況や生計同一関係等を確認されたい。
(答)
同居男性が義理の姉と内縁関係にあれば当該男性が受給資格者と事実婚状態にあるとは考えにくいため、当該男性と義理の姉との内縁関係を確認されたい。
内縁関係については、例えば、住民票や賃貸借契約書上の記載、当事者間における婚姻の意思や親族・友人等からの証言、冠婚葬祭への出席、見合い・婚約・結納・挙式等婚姻儀礼の有無、妊娠・出産に関連する記録等を確認することが考えられる。
この他、同居に至る経緯や理由、家の間取りや生活状況、生計同一関係等を確認し、個別に判断されたい。
(答)
現地調査や、元夫の住居に係る賃貸借契約書等により、元夫が受給資格者と同居していないことが確認できる場合には、事実婚状態にあるとは言えない。
なお、事実婚は、原則として同居していることを要件としているが、頻繁に定期的な訪問があり、かつ、定期的な生計費の補助を受けている場合には、同居していなくとも成立すると取り扱っていることに留意する必要がある。
(答)
自営業の受給資格者宅に従業員が住込みで就業していることのみをもって事実婚と取り扱うのではなく、例えば、従業員が住み込みで就業している経緯や理由、就業期間、家の間取りや生活状況、生計同一関係等を確認し、個別に判断されたい。
(答)
夫の死亡前から義父と同居しており、夫の死亡によって、義父のみと同居することとなった経緯が確認できる場合には、夫の死亡により事実婚が成立したとは言えないと考えられるが、必要に応じて、家の間取りや生活状況、生計同一関係等について確認を行われたい。
(答)
本人の申告内容だけでなく、当該高齢単身男性が現在入院中であるかどうかなど、当該男性の居住実態を確認する必要がある。受給資格者と同居していないことが確認でき、また、頻繁に定期的な訪問及び定期的な生計費の補助がない場合には、事実婚には該当しないと考えられる。
なお、夫婦関係にないことの客観的な証明が確認できないことをもって事実婚に該当するものではなく、同居に至る経緯や理由、生活状況や生計同一関係等、様々な事実関係を確認した上で、事実婚に該当するか否かを判断されたい。
(答)
受給者と前夫が同じマンションに住んでおり、それぞれの部屋を対象児童が行き来する事実だけでは事実婚が成立しているとは言えない。受給資格者・関係者からの聞き取りや現地調査等により、頻繁に定期的な訪問及び定期的な生計費の補助の有無について確認されたい。
3.児童扶養手当資格喪失処分の取り消しを求める審査請求
4.まとめ
今回は、児童扶養手当上の「事実婚」についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
やはり、事実婚であるための確認書類や、婚姻意思の有無や生計同一関係であるかの確認等、遺族年金の場合と以ている部分が多くありますね。
また、平成27年課長通知では、このケースの場合はどうなるか?といったことが、Q&A形式で掲載されているので、これに該当するような方は参考になると思います。
この記事を書いた人
担当した解決事例
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カテゴリ:
2020年6月24日 17:07
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