カテゴリ
月別 アーカイブ
- 2024年8月 (1)
- 2024年6月 (1)
- 2024年4月 (1)
- 2024年1月 (1)
- 2023年12月 (2)
- 2023年9月 (1)
- 2023年5月 (1)
- 2023年2月 (1)
- 2022年12月 (1)
- 2022年9月 (1)
- 2022年7月 (1)
- 2022年6月 (1)
- 2022年4月 (1)
- 2021年10月 (1)
- 2021年7月 (1)
- 2021年6月 (1)
- 2021年5月 (1)
- 2021年3月 (1)
- 2021年2月 (1)
- 2021年1月 (2)
- 2020年9月 (1)
- 2020年6月 (1)
- 2020年4月 (1)
- 2020年2月 (2)
- 2020年1月 (1)
- 2019年12月 (1)
- 2019年11月 (1)
- 2019年10月 (4)
- 2019年9月 (3)
- 2019年5月 (2)
- 2015年8月 (14)
最近のエントリー
HOME > 事例集 > 社会保険審査会事例 > 住民票上同一世帯でも、実態は別居していた妻の遺族年金受給が取り消された事例
事例集
住民票上同一世帯でも、実態は別居していた妻の遺族年金受給が取り消された事例
公開日: 2019年9月16日 更新日:2020年4月 8日
【社会保険審査会裁決事例】※当センターがサポートした案件ではありません。平成28年(厚)第689号、平成29年11月30日裁決
主文 後記「理由」欄第2の2記載の原処分を取消り消す。
事案概要
子のCが死亡したので、母であるAが遺族厚生年金の請求をしたが、「先順位者である配偶者の遺族厚生年金の受給権者となったことにより、遺族厚生年金は不支給と決定します。」として、遺族厚生年金を不支給とする旨の処分を受けた。請求人(母A)は、原処分を不服として審査請求を経て、社会保険審査会に対し、再審査請求をした。
請求人(母A)の主張
Cが死亡した当時、配偶者Bは、実態には住民票上の住居に居住しておらず、またCから経済的援助も受けていない。よって、Cによって生計を維持した配偶者に該当しない。
争点
Cの配偶者は住民票上同一世帯ではあるが、実態として別居していた。生計維持関係が認められるのか。
結論
本件は、住民票上同一世帯であることをもって生計同一要件を満たしているものとは認められない。本件については、住民票上異なっている場合を準用して生計同一関係・生計維持関係を判断するのが相当であり、そうすると、配偶者はCから経済的援助を受けていたとは認められないので、Cによって生計を維持した者とは認められない。遺族厚生年金は母のAに支給されるべきであり、Bに遺族厚生年金を支給した原処分を取り消す。本案件のポイント
一般的に、配偶者は住民票上の世帯が同一であれば、生計維持要件を満たすので、遺族厚生年金を受給できます。
しかしながら、今回、母であるBが遺族厚生年金を請求したため、実態としては別居しており、経済的援助は無かったという事実が露呈しました。
配偶者の遺族厚生年金が取り消されることとなったポイントは、下記の通り
・配偶者は、仕事の為、住所地とは別の〇〇町宅を借りて同宅に居住していた。
・配偶者を所得税法上の控除対象配偶者として申告していなかった。
・配偶者が経済的援助を受けていたとの主張を裏付ける客観的な資料が存在しない。
一方、請求人である母Aの遺族厚生年金の受給が認められた理由としては、子のCは、死亡時点において、請求人である母Aを世帯主とする世帯に属し、所得税法上の控除対象扶養親族(同居老人扶養親族)として申告していたことが挙げられています。
利害関係人は、亡Cの死亡の当時において、住民票上は、亡CとD宅において世帯を同一にしていたものの、その実態は、○○でマッサージの仕事に従事しながら、○○町宅で起居していたものと認めるのが相当であり、住民票上の記載をもって生計同一関係・生計維持関係を判断するのは、実態と著しく懸け離れたものとなり、かつ、社会通念上妥当性を欠くこととなる場合に該当すると認められ、住民票上同一世帯であることをもって生計同一要件を満たしているものとは認められないというべきである。そして、本件については、本件通知の生計維持認定対象者と適格死亡者の住所が住民票上異なっている場合を準用して生計同一関係・生計維持関係を判断するのが相当であると考えられるところ、上記説示のとおり、亡Cの死亡の当時、利害関係人が亡Cから経済的援助を受けていたとは認められないのであるから、上記(1) のイの( ア)を満たしているとはいえず、その他の点を検討するまでもなく、上記(1) のイに該当しないというべきであり、上記(1) のアに該当しないことは上記説示のとおりであるから、利害関係人は、上記(1) のア及びイのいずれにも該当せず、亡Cの死亡の当時、亡Cによって生計を維持した者とは認められないというべきである。
カテゴリ:
2019年9月16日 16:42