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HOME > 事例集 > 当センターの事例 > 施設入所の為、離婚せざるを得ず、お互い別々の施設に入所していたものの遺族年金の受給が認められた事例
事例集
施設入所の為、離婚せざるを得ず、お互い別々の施設に入所していたものの遺族年金の受給が認められた事例
公開日: 2022年4月25日 更新日:2022年4月26日
【当センターの事例】
無事に遺族厚生年金の受給が認められました。
事案概要
請求者:Aさん・・・元妻故人 :Bさん・・・元夫
相談者:Cさん・・・親族
本件は、請求者であるAさんがご高齢のため、代わりに親族のCさんが当センターのYouTube動画を見つけて、Cさんからご相談の電話を頂きました。
AさんとBさんのお二人は、もともと婚姻関係であり、同居して生活しておりましたが、
お二人が今後生活を送っていくには、お互いが施設に入所せざるを得ない生活状況となり、
そして、施設に入所するには離婚するしか選択肢がなかったとのことでした。
離婚後の事実婚関係で別居、住民票の住所は別という事例になります。
担当社労士による見解、実施したこと
本事例は、離婚後の事実婚関係で「別居、住民票の住所が別」という案件となります。
認定基準によれば、生計同一関係の取扱に関しては、下記の通り
ア 住民票上同一世帯に属しているとき
イ 住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき
ウ 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき
(ア) 現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
(イ) 単身赴任、就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なっている
が、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき
(a) 生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
(a) 生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
(b) 定期的に音信、訪問が行われていること
このうち、別居で、住民票上の住所が別の案件に関しては、上記ウの(イ)に該当することを証明する必要があります。
事実婚関係及び生計同一関係を証明する資料を収集した結果、
・葬儀の会葬礼状
・生命保険(死亡保険金)の保険証書
・後期高齢者医療保険料領収証
・固定資産税領収証
・手紙
・通帳
・第三者の証明書
が集まりました。
Aさんが葬儀の喪主を務めたことが確認できる会葬礼状や、死亡保険金の受取人となっていたことが確認できる保険証券は大きな有効材料でした。
また、経済的援助に関しては、AさんとBさんの通帳から直接的に相手の口座に振り込むことは無かったものの、間接的にお金が渡っていたことと、Aさんが負担すべき医療保険料や固定資産税がBさんの口座から引落しされていたことを主張しました。
訪問に関しては、お互い高齢の為、頻繁に行き来できる状況では無かったため、訪問に関する証明資料は写真程度しかありませんでしたが、音信があったことの証明として、お互いに宛てた手紙を資料として提出しました。
それと、お二人が離婚した後も事実婚関係であったことの第三者証明を数人分集め提出しました。
全ての資料が集まった後、主張と証明資料をまとめ、離婚後の事実婚関係の申立書を作成し、年金事務所に提出しました。
結果
無事に遺族年金の受給が決定しました。
解決期間は、3か月程度でした。
本事例のまとめ
経済的援助に関しては、直接、生活費の振込が確認できるような状況ではなかったものの、推認できる状況ではあったため総合的に判断して頂き受給判断されたものと考えられます。
証明資料のうち別表6に記載の会葬礼状や生命保険の保険証券が準備できたことが大きかったのかなと思います。
それと、これは本当に大事なことですが、請求者がご高齢の方の場合、ご自身でこれらの証明資料を準備することはかなり難しいので、ご協力頂ける親族の方の力もかなり大きいです。
今回のケースのように、施設入所のために離婚する晩年離婚という言葉も存在するようですが、
後期高齢者の御夫婦が生活していくためにやむなく離婚するというケースは今後も増えていくことが予想されます。
離婚したら原則、遺族年金はもらえませんが、今回のケースの様に離婚後の事実婚関係と生計同一関係が認められれば、遺族年金を受給できるケースも存在します。
とはいえ、離婚して別居、別住所という状況は、最も証明が難しい事案になりますので、ご注意ください。
自分のケースは遺族年金がもらえるんだろうか?
施設に入所するため離婚した自分の両親又は親族は遺族年金をもらえるのだろうか?
このような事でお悩みの方は、一度、当センターにご相談ください。
カテゴリ:
2022年4月25日 15:53