よくある質問
よくある質問 遺族年金編
内縁の夫の遺族厚生年金は、誰にもらえる権利があるのですか?
遺族厚生年金を受けることができる遺族は、内縁のご主人の死亡当時、内縁のご主人によって生計を維持していた下記の方となっています。
〈第1順位〉
・配偶者(妻又は夫:夫は55歳以上)
・子(18歳年度末までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと)
〈第2順位〉
・父母(55歳以上)
〈第3順位〉
孫(18歳年度末までの間にあるか、又は20歳未満で障害等級の1級若しくは2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻をしていないこと)
〈第4順位〉
・祖父母(55歳以上)
ポイント
①第1順位者に受給権があるときは第2順位以下の人は遺族厚生年金を受けられる遺族とはなりません
②先順位の人が受給権を失った場合でも、次順位の人は受給権を取得(転給)できません。
例えば、
Q.一緒に生活していた内縁の夫が亡くなりました。私と夫の間には子はいませんが、夫にはすでに離婚した元妻との間に15歳の子供がいます。この場合、私は遺族年金をもらえるのでしょうか?
A.内縁のご主人と、その「子」が生計維持関係にあるのであれば、「子」が優先されます。なので、「子」が18歳年度末になってから、あなたが遺族年金をもらえる可能性があります。
配偶者と子は同じ第1順位ですが、優先順位が下記の通りとなっています。
①子のある妻 > ②子 > ③子のない妻
あなたのケースだと「子」の方が優先順位が高いので、子が18歳年度末になって失権するまで遺族年金を受け取れない可能性があります。
遺族年金の支給が決定されるまで、どれくらいの時間がかかりますか?
スムーズにいけば、遺族年金の裁定請求書を提出してから、約1~2か月程度で支給決定通知書又は不支給決定通知書が届きます。
ただし、
①書類に不備があり、書類が返戻された。
②難しい事案のため、年金事務所から新たに回答書の提出を求められた。
③重婚的内縁関係の為、相手方(妻又は内縁の妻)への調査が必要
というようなケースは、更に時間がかかります。
③のような複雑な事案は、半年から1年程度時間がかかることもあります。
妻が遺族年金を受給する場合、いくらぐらいもらえますか?
個々の年金の加入状況により異なりますので、一概にいくらと言えません。おおよその受給パターンは、下記をご参照ください。なお、詳細な年金額は年金事務所にお尋ねください。
1.遺族基礎年金
配偶者との間に
①18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
②20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子
がいれば、遺族基礎年金が支給されます。
なお、上記の子がいない場合は、遺族基礎年金は支給されません。
〈遺族基礎年金の支給額〉
基本額 | 加算額 | 合計額 | |
---|---|---|---|
妻+子1人 | 78万0,900円 | 22万4,700円 | 100万5,600円 |
妻+子2人 | 78万0,900円 | 44万9,400円 | 123万0,300円 |
妻+子3人 | 78万0,900円 | 52万4,300円 | 130万5,200円 |
※子の加算(第1子・第2子:各224,700円、第3子以降:各74,900円)
※子とは次の者に限ります
①18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
②20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子
2.遺族厚生年金
〈遺族厚生年金の支給額〉
老齢厚生年金の報酬比例部分の額の4分の3
(例:亡夫の老齢厚生年金額が100万円の場合だと、100万円×4分の3=75万円 )
※遺族基礎年金と異なり、配偶者との間に子がいなくても請求できます。
〈中高齢の加算額について〉
次のいずれかに該当する妻(事実婚を含む)が受ける遺族厚生年金(※1)には、40歳から65歳になるまでの間、585,700円(年額)が加算されます。これを中高齢の加算額といいます。
①夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻
②遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻(40歳に達した当時、子がいるため遺族基礎年金を受けていた妻に限る。)が、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)ため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき。
※1 長期要件(老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たしている方が死亡したとき)の事由による遺族厚生年金の場合は、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年(中高齢者の期間短縮の特例などによって20年未満の被保険者期間で老齢厚生年金の受給資格期間を満たした人はその期間)以上の場合に限ります。
内縁の夫の遺族厚生年金はいつまでもらえますか?
亡くなるまでもらい続けることができますが、下記の失権事由に該当する場合は、失権します。
- 死亡したとき
- 婚姻したとき(事実婚も含む)
- 直系血族または直系姻族以外の者の養子になったとき(事実上の養子縁組関係を含む)
- 離縁によって死亡した被保険者との親族関係が終了したとき
- 30歳未満で遺族厚生年金のみ受給している妻(子がいない妻)が受給権発生から5年を経過したとき
-
遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給している妻(子がいる妻)の場合、30歳に到達する日前に遺族基礎年金の受給権が消滅すると、その日から起算して5年を経過したときに失権します
※離縁とは養子縁組を解消することです。姻族関係の終了は含まれません
注意
- 今後、あなたが婚姻しなくても事実婚の相手ができたら失権します。
- 中高齢寡婦加算は65歳までです。
- 遺族厚生年金は上記事由に該当しない限り、亡くなるまでもらえますが、あなたが65歳になった時にあなたご自身の老齢厚生年金との間で調整が入ります。遺族厚生年金と自分の老齢厚生年金を二つとも満額もらえるわけではありません。また、あなたご自身の老齢厚生年金の金額が遺族厚生年金の金額よりも高額であれば、遺族厚生年金は支給停止となります。