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入籍だけで遺族年金はもらえるわけでない落とし穴
公開日: 2017年1月 9日
更新日:2020年5月25日
10年のお付き合いをしている太郎さんと、花子さん。
お互い仕事を持って忙しい生活を送り、お互いの家は別々ですが、ほぼ毎日、お互いの家を行き来。
友人からも夫婦同然の関係だと思われていますが、まだ入籍はしていません。
諸事情があって今すぐ入籍できないけど、いずれ時がきたら入籍すればよいかなとお互いが思っていました。
しかし、ある日突然、太郎さんが体調を崩して入院。
そこで、太郎さんがガンであることが発覚し、余命宣告を受けてしまいました。
このままでは、花子さんに遺族年金を遺すことができないので、急遽、花子さんと入籍することを考え始めました。
「入籍すれば、遺族年金を花子に遺してあげれるだろう。だって、妻になるんだから。」
太郎さんに限らず、このようにお考えの方がほとんどだと思います。
あまり、知られていない生計維持関係という落とし穴
花子さんが遺族年金をもらうためには、妻(事実婚含む)であり、且つ、生計維持関係である必要があります。生計維持関係は、生計同一要件と収入要件を満たしていればOKです。
さて、太郎さんは余命宣告され現在入院中。
これまで、太郎さんと花子さんは、別生計で同居しているわけではありません。そもそも、同居していないので、同居していた事実が確認できる資料もありませんし、このような状況では、社会的に夫婦としてみられるような資料が残ることもあまりないでしょう。
妻であっても、生計を一つにしていたことが確認できない。つまり、生計維持関係にないので、遺族年金はもらえない。こういったことも起こり得るのです。
「入籍さえすれば、遺族年金はもらえる」
そう簡単に思っていたら、最後の最後で落とし穴が待っているかもしれません。
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