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死後離婚をしたら遺族年金はもらえない?

公開日: 2016年9月29日
更新日:2020年6月 7日

どうやら、夫が亡くなったあと「夫とは同じ墓に入りたくない」「死後離婚」を申し出る女性が増えているようです。


法務省戸籍統計平成26年度年報によると「 姻族関係終了届 」の提出数は、以下の通り。
 
2009年 → 1823件
2014年 → 2202件
 
配偶者の死後「 姻族関係終了届 」を提出することで、配偶者の血族(姻族)との関係を終わりにすることができます。死後に離婚することはできませんが、実質的に離婚と同じ効果を得られるため「死後離婚 」と呼ばれているようですね。
 
理由としては、
 
・夫と同じ墓に入りたくない
・夫がいないのに姑の面倒を見るのは嫌!
・夫側の親戚と縁を切りたい!
・縁もゆかりもない土地のお墓は嫌!
 
といったことが挙げられます。さて、このように死後離婚を考えたときに、
 
「待てよ、死後離婚をしたら、現在もらっている遺族年金はもらえなくなるのかな?」


と疑問に思う方もいらっしゃると思います。厚生年金保険法63条に遺族厚生年金の失権事由が規定されています。妻の失権事は以下の通り、

① 死亡したとき
② 婚姻したとき
③ 直系血族または直系姻族以外の者の養子になったとき(事実上の養子縁組関係を含む)
④ 離縁によって死亡した被保険者との親族関係が終了したとき ※ここでの「離縁」とは、養子縁組の解消を指します。
⑤ 30歳未満で遺族厚生年金のみ受給している妻(子がいない妻)が受給権発生から5年を経過したとき
規定を見ていただくとわかりますが、死後離婚しても遺族年金は失権しません。つまり、遺族年金はもらい続けることができるということになります。
 
・結婚前の戸籍に戻る「復籍」
・旧姓に戻す「復氏」
・亡夫の家族との縁を切る「姻族関係終了」
 
これらの手続きをしても、遺族年金の受給は継続しますので、ご安心ください。

この記事を書いた人

遺族年金専門の社会保険労務士 三浦康紀 アルテユース社会保険労務士事務所 代表

遺族年金専門の社会保険労務士

三浦 康紀
アルテユース社会保険労務士事務所代表

全国47都道府県の方から累計2,000件以上の遺族年金相談に対応してきた遺族年金専門の社会保険労務士。遺族年金代行手続きをサポートした案件の受給率は、96.2%。
「あなたに遺族年金を届ける」がコンセプト。

担当した解決事例

  • 内縁の妻(住民票住所同一、住所別)の遺族年金請求
  • 離婚後の元妻の遺族年金請求
  • 重婚的内縁関係の遺族年金請求(内縁の妻側、戸籍上の妻側共に有り)
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