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重婚的内縁関係における戸籍上の妻への調査
公開日: 2018年3月 6日
更新日:2020年5月25日
重婚的内縁関係の状態において、内縁(事実婚)関係の妻が、遺族年金を請求すると、戸籍上の妻に次の調査を行うものとされています。
内縁の奥さんは、はたして戸籍上の妻にどのような調査が行われるか気になるところと思います。
1.戸籍上の配偶者に対して、主として次の事項について、婚姻関係の実態を調査すること。なお、戸籍上の配偶者の住所は、戸籍の附票(住民基本台帳法第16条~第20条参照)により確認することとすること。
ア 別居の開始時期及びその期間
イ 離婚についての合意の有無
ウ 別居期間中における経済的な依存関係の状況
エ 別居期間中における音信、訪問等の状況
2.上記による調査によっても、なお不明な点がある場合には、いわゆる内縁関係にある者に対しても調査を行うこと。
重婚的内縁関係にある中で内縁(事実婚)関係として認定するには、故人と戸籍上の妻の「婚姻関係がその実体を全く失ったものとなっていること」を確認することが必要であるため、上記調査を行い、その結果を総合的に勘案して内縁(事実婚)関係の認定を行うものとされています。
一般的には、内縁の奥さんが遺族年金の請求をすると、戸籍上の妻に「夫婦関係」について回答するよう回答書が送られてきます。
管轄する年金事務所により、多少違いがあるかもしれませんが、おおむね次のような内容の回答書だと思われます。
1.ご主人と別居されていたようですが、いつ頃から別居されていましたか?
2.年1回以上音信、訪問等がありましたか?
①時期とその回数(いつから、いつまで)
②音信、訪問の方法が次のどれによるものですか。
③音信、訪問は誰あてにありましたか、またどのような用件でしたか。
3.ご主人から年1回程度以上、送金、仕送り等がありましたか。
①時期とその回数及び金額
②送金等の方法が次のどれによるものですか
③送金等の理由は次のどれによるものですか
4.あなたはご主人と離婚する意思がありますか。
5.あなたはご主人と別居生活の解消を話し合い、努力をおこないましたか。
戸籍上の妻の回答文書の内容や添付資料等、追加調査を行うことで、両者の婚姻関係が破綻しているか否かを判断します。
そして、両者は長期間別居していたものの婚姻関係が破綻しているまでとはいえないという判断になった場合は、例えあなた方が内縁関係と認められる状況であったとしても、遺族年金を受給することはできなくなります。
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