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中退共に加入していた内縁の夫の退職金を請求できるか?

公開日: 2016年1月25日
更新日:2021年12月30日

あなたと内縁関係にあったご主人は、お勤め先で、中退共に加入していませんでしたか?
 
 
中退共制度は、昭和34年に中小企業退職金共済法に基づき設けられた中小企業のための国の退職金制度です。
 
事業主が中退共(独立行政法人勤労者退職金共済機構・中小企業退職金共済事業本部)と退職金共済契約を結び、毎月の掛金を金融機関に納付します。従業員が退職したときは、その従業員に中退共から退職金が直接支払われます。
 
また、死亡退職した際は、ご遺族の方が請求できます。
 
遺族の第一順位は、配偶者となっていますが、この配偶者には、「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。」とされています。年金制度と同じです。
 
そして、事実婚関係にあったことの証明に関する規定もほぼ同じ内容となっています。
事実上婚姻関係にあったことの証明

「被共済者の死亡当時、事実上婚姻関係と同様(内縁)の事情にあった者」が請求する場合は、申立書(手続様式見本集から【様式E】をダウンロードしてください。)に次の書類を添付していただきます。

(1)事実上婚姻関係と同様の事情にあった者と被共済者が同一世帯の場合は世帯全員の住民票(謄本)
(2)(1)以外の場合は、次に掲げる(イ) (ロ) (ハ) のすべて
  (イ) 請求人及び被共済者の住民票(謄本)
  (ロ) 被共済者と別世帯となっている理由書
  (ハ) 次に掲げるいずれかの書類

 

  ①健康保険の被扶養者になっている場合・・・健康保険被保険者証の写し
  ②被共済者に係る公的な遺族給付が支給されている場合・・・給付金の決定通知書の写し
  ③挙式・披露宴等が一年以内に行われている場合・・・結婚式場等の証明又は挙式・披露宴の実施を証する書類
  ④上記のいずれにも該当しない場合・・・事実上婚姻関係と同様の事情にあったことを証する書類(生命保険の保険証券等)

中退共の退職金を請求する際に、すでに遺族基礎年金や、遺族厚生年金の支給決定を受けている方は、年金証書を添付して請求すれば、間違いなく退職金をもらえると思います。すでに、日本年金機構から事実婚関係と認められているので。
 

ポイント
逆に、中退共の退職金の請求において、請求が認められた=事実婚関係であったことを認められた。という結果になれば、中退共から認定されたことをもって、遺族基礎年金・遺族厚生年金を請求する際の事実婚関係が認められるための材料の一つになると思われます。

案外見落とされがちな中退共の死亡退職金ですが、
内縁の妻であっても年金制度と同様に請求できますので、
覚えておいてください。

この記事を書いた人

遺族年金専門の社会保険労務士 三浦康紀 アルテユース社会保険労務士事務所 代表

遺族年金専門の社会保険労務士

三浦 康紀
アルテユース社会保険労務士事務所代表

全国47都道府県の方から累計2,000件以上の遺族年金相談に対応してきた遺族年金専門の社会保険労務士。遺族年金代行手続きをサポートした案件の受給率は、96.2%。
「あなたに遺族年金を届ける」がコンセプト。

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