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何十年も夫婦として生活してたのに、遺族年金をもらえないのは納得できない
公開日: 2015年9月22日
更新日:2021年12月30日
遺族年金の相談を受けたり、過去の事例を見てみると、夫の死亡時においては、別居していた。でも、だからといって、それまで何十年も夫婦として生活しており、その間は、夫を支えていたのにもかかわらず、遺族年金をもらえないのは納得できない。
と、遺族年金制度に対する異議を申し立てするケースが見受けられます。たしかに、お気持ちは理解できます。が、遺族年金の受給を目的とする請求であれば、このようなことのみを主張しても、遺族年金を受給することはできないでしょう。
別居していた妻が遺族年金をもらうためには、
1.やむを得ない別居事情があり、その事情が解決すれば同居する予定がある
2.生活費等の経済的援助がある
3.定期的な音信・訪問がある
2.生活費等の経済的援助がある
3.定期的な音信・訪問がある
という要件を満たさなければなりません。社会保険審査会の事例において、
請求人は、○○年近く夫婦として生活し、夫の会社経営を支えてきた請求人が遺族厚生年金を受給できないのは納得できないとの趣旨と思われる主張をしているが、当該主張は立法論としては意味があるかもしれないが、厚生年金保険の受給権者の死亡時点の状況で遺族厚生年金の支給の可否を判断する構成を採る現行制度の下では、考慮の対象とならないことを申し添える。
と、判断されています。いくら法律制度そのものが間違っていると主張しても、遺族年金を支給判断する際には、判断の対象外ということです。
納得できないというお気持ちは、とてもよくわかりますが、さきほどの3つの要件を満たすよう請求していきましょう。
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