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意思だけで内縁の妻に遺族年金を残せるか?

公開日: 2015年7月 5日
更新日:2021年12月30日

入籍していないが、内縁関係であったとする男女。

たとえば、男性が亡くなる前、「籍はいれなかったが、君とは夫婦同然にこれまで生活をともにしてきた。君に遺族年金を遺したいと思っている。」と言い残し、その後、亡くなった場合、男性のこの想い(意思)だけで、女性は、遺族年金を受ける取ることができるだろうか?

残念ながら答えは、NOです。遺族年金に関する社会保険審査会の裁決によると、

妻(内縁)は、「夫から自分が死んだら年金を妻が受給できようにしておく。」と、生前述べたと、申出でているが、遺族厚生年金の受給権者が誰になるかは、その受給権発生の原因となった当該死亡した者の意思によって定まるものでないことは厚生年金保険上明らかであり、上記申し立ては無意味である。

つまり、男性から女性に対する遺族年金を残したいという意思とは関係なく、あくまでも内縁関係において遺族年金を請求する者は、

①事実上婚姻関係と同様のものであったか
②死亡時において生計同一関係にあったか

この2点について審査され受給の有無が判断されます。

なので、「遺族年金を君に遺す」と言われたとか、
遺言で遺族年金を指定された

という理由だけをもって、遺族年金を受け取れることになるということはないでしょう。

この記事を書いた人

遺族年金専門の社会保険労務士 三浦康紀 アルテユース社会保険労務士事務所 代表

遺族年金専門の社会保険労務士

三浦 康紀
アルテユース社会保険労務士事務所代表

全国47都道府県の方から累計2,000件以上の遺族年金相談に対応してきた遺族年金専門の社会保険労務士。遺族年金代行手続きをサポートした案件の受給率は、96.2%。
「あなたに遺族年金を届ける」がコンセプト。

担当した解決事例

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