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年収の高い内縁の妻は遺族年金を受給することができるか?

公開日: 2019年3月19日
更新日:2020年5月25日

遺族年金を受け取るには、

故人と生計維持関係(生計同一+収入要件)である必要があります。

生計維持と聞くと、

「妻は、夫の扶養に入っていないといけない。」
        ↓
「妻の年収が高いと扶養にはならないので、遺族年金をもらえないのでは」

と、思われる方もいらっしゃるかと思います。

結論から申し上げると、

夫より妻の年収が高くても遺族年金の受給は可能です。



 生計維持関係のおさらい


生計維持関係=生計同一要件+収入要件

<生計同一要件>

下記のア~ウのいずれかに該当。

ア 住民票上同一世帯に属しているとき
イ 住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき
ウ 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき
 
(ア) 現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
(イ) 単身赴任、就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき
 
(a) 生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
(b) 定期的に音信、訪問が行われていること

<収入要件>

下記のア~エのいずれかに該当

ア 前年の収入(前年の収入が確定しない場合にあっては、前々年の収入)が年額850万円未満であること。
イ 前年の所得(前年の所得が確定しない場合にあっては、前々年の所得)が年額655.5万円未満であること。
ウ 一時的な所得があるときは、これを除いた後、前記ア又はイに該当すること。
エ 前記のア、イ又はウに該当しないが、定年退職等の事情により近い将来(おおむね5年以内)
  収入が年額850万円未満又は所得が年額655.5万円未満となると認められること。

 妻の年収が高いと、遺族年金もらえないとは、どこにも書かれていません。


上記の生計同一要件、収入要件を見ていただいたらわかりますが、
特に、妻の年収が夫の年収よりも高いと要件を満たさないという記述は見受けられません。

たとえば、夫の年収が300万円。妻の年収が500万円でも、
二人が同一世帯で、妻の年収が850万円未満であれば、
生計同一要件も、収入要件も満たすことになります。

とはいっても、特に内縁関係の場合は籍に入っていないので

・内縁の妻の年収が高ければ生計を別々にしていたのではないか?
・内縁の妻は内縁の夫に頼らなくても一人で生活できるじゃないか。

ということで、生計維持関係が認められず不支給になるのではと、私も過去に思った時がありましたが、

現に、内縁の夫の年収が300万円程度で、内縁の妻の年収が750万円程度と、
倍以上開きがあるケースでも遺族年金の受給が認められたケースが何件かありましたので、

内縁の妻の年収の方が高くても、前述の生計同一要件と収入要件を満たせば問題ないかと思われます。

この記事を書いた人

遺族年金専門の社会保険労務士 三浦康紀 アルテユース社会保険労務士事務所 代表

遺族年金専門の社会保険労務士

三浦 康紀
アルテユース社会保険労務士事務所代表

全国47都道府県の方から累計2,000件以上の遺族年金相談に対応してきた遺族年金専門の社会保険労務士。遺族年金代行手続きをサポートした案件の受給率は、96.2%。
「あなたに遺族年金を届ける」がコンセプト。

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