ブログ
内縁の妻が遺族年金の請求をすると、本妻に連絡がいくのか?
公開日: 2019年11月 6日
更新日:2020年5月25日
遺族年金の請求をしたいけど、これって請求したら本妻に知られることになるのかな?
もちろん顔を合わせたこともないし、気まずいし、できれば知られたくないんだけど・・・
と、思われる内縁の奥さんは多いのではないでしょうか?
当センターにも、このようなご相談が多く寄せられるので、解説します。
内縁の妻が請求したと本妻に対して連絡するか?
結論から申し上げますと、遺族年金の支給を審査する年金事務所(又は事務センター)から、本妻に対して、あなたが遺族年金の請求をしたことを連絡することは無いと考えられます。
あなたが懸念しているような、年金事務所の職員さんが本妻にわざわざ電話して「内縁関係とおっしゃられている方が遺族年金を請求してきてます。」というような、やり取りは無いでしょう。
ただし、年金事務所は、本妻に対して「内縁関係の夫と、本妻が婚姻関係の実態が失っていたか」について、調査を行います。
つまり、本妻はあなたが遺族年金の請求を行っていることについてはわからないが、この調査が入ることで、誰かが遺族年金の請求を行っているんだなと知る可能性があります。
誰が請求しているかは、さすがに年金事務所も教えてくれないと思いますので、もし、あなたと本妻の面識があれば、推測であなたが遺族年金の請求をしていると思われる可能性は十分にあります。
どのような調査が行われるのか?
まず、あなたが遺族年金の請求を年金事務所に相談しただけでは調査は行われません。
あなたが請求をして、それから年金事務所が調査に動きます。
認定基準によれば、調査の内容として、以下の事が定められています。
【重婚的内縁関係に係る調査】
重婚的内縁関係にある者を「婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者」として認定するには、届出による婚姻関係がその実体を全く失ったものとなっていることを確認することが必要であり、このため、次の調査を行い、その結果を総合的に勘案して事実婚関係の認定を行うものとすること。
なお、この調査は、相手方の任意の協力を得て行うものであるとともに、本人のプライバシーに関係する問題でもあるので、慎重に取り扱うものとすること。
1.戸籍上の配偶者に対して、主として次の事項について、婚姻関係の実態を調査すること。なお、戸籍上の配偶者の住所は、戸籍の附票(住民基本台帳法第16条~第20条参照)により確認することとすること。
ア 別居の開始時期及びその期間
イ 離婚についての合意の有無
ウ 別居期間中における経済的な依存関係の状況
エ 別居期間中における音信、訪問等の状況
これは、電話での聞き取りではなく、基本的には照会文書が送付されます。
どんな文書が送られるの?
上記の認定基準に基づき、次のようなことを尋ねる文書を送付し回答を求めます。
1:別居したのはいつか?
2:音信、訪問はあったか?
3:送金、仕送り等はあったか?
4:離婚の合意はあったか?
5:別居生活の解消の話し合い等を行ったか?
6:葬儀はどうしたか?
7:その他意見等
この文書が届くことで、本妻は誰かが遺族年金の請求をしてきたことを知ります。
まとめ
あなたが本妻に知られずに遺族年金の請求をすることは難しいかと思います。
たとえ、本妻と面識がなくあなたのことを全く知らないような状況で、あなたの遺族年金の受給が決定されたとしても、本妻が支給決定に対しての不服申し立てをすることで、その後の審査請求の中であなたのことがわかります。
そのため、相手に知られてもいいから遺族年金を請求するという覚悟が必要になります。
この記事を書いた人
担当した解決事例
- 内縁の妻(住民票住所同一、住所別)の遺族年金請求
- 離婚後の元妻の遺族年金請求
- 重婚的内縁関係の遺族年金請求(内縁の妻側、戸籍上の妻側共に有り)
- 通い婚状態の内縁の妻の遺族年金請求
- 内縁の夫の遺族年金請求
- 別居して18年の妻の遺族年金請求
- 元夫との間の子の遺族年金請求
- 内縁の妻の加給年金請求