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親(父母)に遺族年金を受け取ってもらう為に知っておきたい7つのこと
公開日: 2021年1月19日
更新日:2021年1月19日
「扶養している父母に遺族年金を遺したいんですが、可能でしょうか?」
このようなご質問を頂くことがありますので、
今回は「父母に遺族年金を受け取ってもらう為に知っておきたい7つのこと」について、解説したいと思います。
1.遺族基礎年金(国民年金)、遺族厚生年金(厚生年金)の受給対象者について
(1)子のある配偶者
(2)子(18歳到達年度の年度末を経過していない者又は20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
(1)妻(2)子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者又は20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)(3)55歳以上の夫、父母、祖父母
まず、遺族基礎年金(国民年金)に関しては、子のある配偶者又は子しか受給資格が無いので、父母は受給できません。
遺族厚生年金(厚生年金)は父母も対象となります。
ただし、配偶者や子の先順位者がいると、先順位者の方が優先順位が高いので受給できません。
その為、父母が受給できる場合というのは、
①配偶者がいない又は配偶者とは別居していて、生計維持関係になかった。
②子がいない又は子とは別居していて、生計維持関係になかった。
上記①+②の状況であれば、第3順位の父母が受給できることになります。
2.遺族厚生年金の支給要件について
①被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。
※遺族基礎年金と同様、死亡した者について、死亡日の前日において保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。※ただし令和8年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。
②老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。③1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき
3.父母の年齢制限
そして、遺族年金の支給開始年齢は60歳からなので注意が必要です。
4.父母と生計同一関係にあること
ア 住民票上同一世帯に属しているときイ 住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるときウ 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき(ア) 現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき(イ) 生活費、療養費等について生計の基盤となる経済的な援助が行われていると認められるとき
5.父母の収入要件
6.父母自身の年金との調整
【父母が60歳から65歳までの間】
自分の老齢年金を受給している場合は、当該期間においては、遺族厚生年金か自分の年金か、どちらか一方の年金しか受け取ることができないので、選択することになります。
【父母が65歳以上の場合】
父母は自分の老齢厚生年金を受け取っているときについては、遺族厚生年金の方が金額が多い場合、自分の老齢厚生年金との差額が支給されることになります。
その為、父母は自分の老齢厚生年金の金額の方が、遺族厚生年金の金額よりも多い場合、遺族厚生年金は支給されないので注意が必要です。
なお、遺族厚生年金と自分の老齢基礎年金(国民年金)との間に調整はありません。
7.父母で分け合う遺族厚生年金
遺族厚生年金の受給権者が父母二人の場合、二人で半分ずつ分け合う形になります。
仮に遺族厚生年金の金額が年額80万円であれば、父が年額40万円。母が年額40万円となります。
父が遺族厚生年金の請求をしなかったとしても、母が100%の遺族厚生年金を受け取ることはできず、受け取り分はあくまでも50%です。
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