事例集
内縁の妻ではなく、交際と判断された事例
公開日: 2019年5月 7日
更新日:2020年4月 8日
■平成26年(厚)第148号(以下、甲事件)、第688号(以下、乙事件)
(主文)
本件審査請求を棄却する。
本件の場合、請求人は、住民票上の住所は異なっているが、
平成○年から亡Aと生活を共にしていた内縁の妻である旨主張するところ、
上記アに該当するかを検討すると、
①亡A及び請求人は、それぞれ持ち家があり、それぞれにおいて自らの祖先を祀っており、それぞれ自分の家の管理をしていたこと、
②亡Aは請求人宅で朝食をとり、午前10時ころ亡A自宅に帰り、亡妻Bの仏壇のお供えをしたり、庭の手入れをしたり、掃除や洗濯をし、昼食を自分で作って食べ、ゆっくりしてから午後2時から3時ころには、請求人宅に帰り、夜は請求人宅で、共に就寝し、食事も共にとるという生活をしていたこと、
③平成○年○月ころから亡Aは、お金の管理をCに託したこと、
④亡Aは請求人を控除対象配偶者として申告していないこと、
などからみると、「現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められる」に該当するとみることは相当ではない。
平成○年から亡Aと生活を共にしていた内縁の妻である旨主張するところ、
上記アに該当するかを検討すると、
①亡A及び請求人は、それぞれ持ち家があり、それぞれにおいて自らの祖先を祀っており、それぞれ自分の家の管理をしていたこと、
②亡Aは請求人宅で朝食をとり、午前10時ころ亡A自宅に帰り、亡妻Bの仏壇のお供えをしたり、庭の手入れをしたり、掃除や洗濯をし、昼食を自分で作って食べ、ゆっくりしてから午後2時から3時ころには、請求人宅に帰り、夜は請求人宅で、共に就寝し、食事も共にとるという生活をしていたこと、
③平成○年○月ころから亡Aは、お金の管理をCに託したこと、
④亡Aは請求人を控除対象配偶者として申告していないこと、
などからみると、「現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められる」に該当するとみることは相当ではない。
また、上記イに該当するかといえば、
「単身赴任、就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なっている」わけではなく、
「その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められる」とはいえない。
また、請求人は、亡Aから月5万円(平成○年○月からは交通費3万円を含み8万円)の経済的援助があった旨申し立てているが、それを客観的に証明する資料もなく、これらからみると、上記イにも該当するとはいえない。
これらを総合して見ると、亡Aと請求人は、それぞれの家と財産を、それぞれが保持したところでの交際であり、夫婦の共同生活といえるものの実態がなく、将来婚姻する可能性も窺えず、当事者間に、社会通念上、「夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意」及び「夫婦の共同生活と認められる事実関係」があるとみることはできない。
そうすると、亡Aと請求人との関係をもって、いわゆる内縁関係と認めることはできないのであって、請求人が亡Aと婚姻はしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者に当たるということはできず、また、請求人が亡Aによって生計を維持した者に当たるとはいえないから、原処分甲及び原処分乙は妥当であって、これらを取り消すことはできず、本件再審査請求(甲事件及び乙事件)は理由がないから、これらを棄却することとして、主文のとおり裁決する。