事例集

住所変更すると免許証等の変更手続きが面倒なため、住民票の住所が別々だったものの遺族年金の受給が認められた内縁の妻の事例

公開日: 2021年10月12日
更新日:2021年10月12日

【当センターの事例】
無事に遺族厚生年金の受給が認められました。

事案概要

請求者:Aさん・・・内縁の妻
故人 :Bさん・・・内縁の夫
相談者:Cさん・・・内縁の妻の子

本件は、請求者であるAさんがご高齢のため、代わりに子供のCさんが当センターのHPを見つけて、Cさんからご相談の電話を頂きました。

お二人は、同居していましたが、Aさんの住民票の住所地は同居の家に置いておらず、近所にあった実家に置いていました。
近所のため、郵便物をすぐに取りに行くことができ、その他特に生活を送る上で不便なことはなく、
むしろ、住所同一に変更することで免許証等の変更手続きが面倒なため、住所同一にすることは無かったというケースです。

同居、住民票の住所は別という事例になります。
 

担当社労士による見解、実施したこと


本事例は、「同居、住民票の住所が別」という案件となります。

認定基準によれば、生計同一関係の取扱に関しては、下記の通り

ア 住民票上同一世帯に属しているとき
イ 住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき
ウ 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき
 
(ア) 現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
(イ) 単身赴任、就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なっている
が、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき

(a) 生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
(b) 定期的に音信、訪問が行われていること

このうち、同居していたが、住民票上の住所が別の案件に関しては、上記ウの(ア)に該当することを証明する必要があります。

事実婚関係及び生計同一関係を証明する資料を収集した結果、

・内妻宛の郵便物
・家計簿
・医療機関提出書類
・葬儀の会葬礼状(親族欄に記載のみ)
・内夫の親族からの証明書
・看護日誌

が集まりました。

しかしながら、事実婚関係を証明するための資料として年金事務所が最重要視する別表6に記載の資料がなく、非常に難しいケースになると想定されました。

会葬礼状に関しては、喪主をしたわけではなく親族欄に内妻の氏名が記載されているのみです。ただし、親族として認知されていた証明資料にはなるかなと考えていました。

また、家計簿に内夫から内妻への生活費の受渡の記録が記載されていたので、経済的援助が内夫から内妻へ実際に行われており、かつ、内妻宛の郵便物が届いていることからも同居実態がうかがえるということで、別表6記載の資料がなくても、総合的判断で事実婚関係及び生計同一関係がうかがえる旨の内縁関係の申立書を作成し、年金事務所に提出しました。

 

結果


無事に遺族年金の受給が決定しました。
解決期間は、2か月程度でした。


 本事例のまとめ


別表6の証明資料を最重要視し、該当資料が無ければ認めないと判断する年金事務所も存在しますので、総合的に判断して頂き受給判断されたものと考えられます。
しかし、やはり会葬礼状の親族欄に氏名があったことが大きかったのかなと思います。これが無ければ、厳しかったのではないでしょうか。

今回のように同居していたが住民票の住所が別々だったという方も遺族年金を受給できる可能性があります。
ただし、住民票の住所が別々の案件は、住民票から同居の事実が推認できないので、受給のハードルは難しくなると考えられます。

自分のケースは遺族年金がもらえるんだろうか?と、お悩みの方は、一度、当センターにご相談ください。

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