事例集
ケンカ別れで離婚した元夫と、再び同居した元妻の遺族厚生年金の請求が認められた事例
公開日: 2022年7月 7日
更新日:2022年7月 7日
無事に遺族厚生年金の受給が認められました。
事案概要
請求者:Aさん(仮名)・・・内縁の妻(元妻)故人 :Bさん(仮名)・・・内縁の夫(元夫)
本件は、請求者であるAさんが税理士さんから当センターのHPの存在を知らされたようで、その後、相談のお電話を頂きました。
お二人は、婚姻生活を送る上でケンカが絶えず、性格の不一致が原因で、ご主人が亡くなる約15年前に離婚しましたが、8年前頃から再び同居して共同生活を送るようになりました。その際、住民票の住所も同一にしたようです。来年に再入籍しようと話をしていた矢先にご主人が亡くなられたようです。
離婚後の内縁関係で、同居、住民票の住所は同一という事例になります。
担当社労士による見解
本事例は、「離婚後の内縁関係で、同居、住民票の住所が同一」という案件となります。
離婚後の内縁関係の取扱に関しては、下記の通り
「離婚の届出がなされ、戸籍簿上も離婚の処理がなされているにもかかわらず、その後も事実上婚姻関係と同様の事情にある者の取扱いについては、その者の状態が事実婚認定の要件に該当すれば、これを事実婚関係にある者として認定するものとされています。」≪生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて(平成23年3月23日年発0323第1号)厚生労働省年金局長通知≫
特に、やむを得ない事情による離婚というわけではありませんでしたが、8年前から再び同居されて共同生活を送っており、住民票の住所も同一ということなので、事実婚関係を証明する資料さえ集まれば、認められる可能性はあるとのことをAさんにお伝えしました。実施したこと
離婚後に夫婦同然の関係であったこと及び生計同一関係を証明する資料を収集した結果、
・葬儀の喪主をしたことが確認できる会葬礼状、領収証
・Aさんに遺産を遺贈する内容の遺言書
・連名の年賀状
・生命保険の死亡保険金の受取が確認できる保険会社からの通知
・第三者の方の証明書
が集まりました。
そして、離婚後も内縁関係及び生計同一関係であった事の主張と証明資料をまとめ、離婚後の内縁関係の申立書を作成し、年金事務所に提出しました。
なお、少し懸念していた「やむを得ない事情による離婚ではない」ということで審議が難航するという事はありませんでした。
結果
無事に遺族年金の受給が決定しました。
解決期間は、2か月程度でした。
本事例のまとめ
離婚事由は、やむを得ない事情による離婚であった必要があると考えられるかもしれませんが、
ケンカ別れ、性格の不一致というような離婚原因であっても、審査の上で、この点が特に指摘されることもなく、
このような離婚原因で不支給とされることは無いということが確認されました。
今回のように離婚後も夫婦同然の関係で、生計を共にしていたと認めれられれば、遺族年金を受給できる可能性があります。
離婚後の内縁関係に該当するかどうかわからない、自分のケースは遺族年金がもらえるんだろうか?と、お悩みの方は、一度、当センターにご相談ください。