事例集
会社が倒産し多額の負債を背負う事になった為、やむなく離婚した元夫の遺族厚生年金が認められた事例
公開日: 2024年1月16日
更新日:2024年1月16日
【当センターの事例】
無事に遺族厚生年金の受給が認められました。
事案概要
請求者:Aさん・・・事実婚の妻(元妻)故人 :Bさん・・・事実婚の夫(元夫)
本件は、知人の専門家から離婚したら遺族年金はもらえないと言われあきらめていたAさんでしたが、
Bさんが亡くなってから約半年後、ネット検索をしていた所、当センターのHPをご覧になられ
離婚していても遺族年金をもらえる場合があることを知って、ご相談のお電話を頂きました。
AさんとBさんのお二人は、約10年前に、Bさんが経営されていた会社が倒産し、多額の借金を背負うことになり、
借金の督促等、Aさんに迷惑をかけることを避けるため、形式的に離婚する事にされたようです。
そして、AさんがBさんの家から少し離れたアパートで住むようにして、
Bさんの家に、週に3~4回通う形で生活を送っていました。
借金を全て返済し終えたら、再婚する予定でした。
離婚後の事実婚関係で別居、住民票の住所は別という事例になります。
担当社労士による見解、実施したこと
本事例は、「離婚後の内縁関係で、別居、住民票の住所が別」という案件となります。
状況的には、非常に難しい案件にはなります。
客観的にみると、離婚して、別居、住所が別という状況は、
一般的な離婚の状況と変わらず生計が別々の様に見えるからです。
認定基準によれば、生計同一関係の取扱に関しては、下記の通り
ア 住民票上同一世帯に属しているとき
イ 住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき
ウ 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき
(ア) 現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
(イ) 単身赴任、就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なっている
が、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき
(a) 生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
(a) 生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
(b) 定期的に音信、訪問が行われていること
このうち、別居で住民票上の住所が別の案件に関しては、上記ウの(イ)に該当することを証明する必要があります。
【音信・訪問状況】
・訪問回数は、週に3・4回程度
・連絡手段としては、電話やLINE
【経済的援助の状況】
・毎月、5万円程度を現金で手渡し
・BさんがAさんの携帯電話料金を負担していた
【音信・訪問状況】
・訪問回数は、週に3・4回程度
・連絡手段としては、電話やLINE
【経済的援助の状況】
・毎月、5万円程度を現金で手渡し
・BさんがAさんの携帯電話料金を負担していた
【事実婚関係及び生計同一関係を証明する資料】
・未納分の税の領収証(Bさんの市県民税をAさんが支払ったもの)
・生命保険の保険証
・携帯電話の申込書・請求書
・入院誓約書
・会葬礼状(喪主ではないが、親族欄に氏名あり)
・子供の結婚式に両者が出席した際の写真
・LINEの履歴
・第三者の証明書(3名分)
が集まりました。
難しい案件ではありますが、
認定基準別表6に記載の資料が複数点ありますし、その他にも事実婚関係及び生計同一関係が確認できる資料があることから、遺族年金の受給が認められる可能性があると考えていました。
そして、離婚後も内縁関係であった主張と証明資料をまとめ、離婚後の内縁関係の申立書を作成し、年金事務所に提出しました。
結果
無事に遺族年金の受給が決定しました。
解決期間は、3か月程度でした。
本事例のまとめ
離婚事由として、借金が原因で離婚。そして、別居という案件はよく見受けられます。
しかしながら、まず同居していないと生計同一の証明が困難となります。
本事例は、経済的援助として現金手渡しという状況でもいけましたが、
できれば、生活費は振込で送金するといった形として残る様にしておいた方がよいでしょう。
また、このようなケースの場合、
専門家や年金事務所の職員の方から
「離婚していて、同居していなかったなら遺族年金もらえない。」と言われる事が多いです。
たしかに、難しい案件ではあります。
ただし、今回の事例のように中にはもらえるケースもあります。
離婚して同居していなかった私のケースの場合、本当に遺族年金はもらえないのか?
少しでももらえる可能性があるなら申請したい。
このような事でお悩みの方は、初回無料相談で遺族年金のプロが相談対応しておりますので、一度、当センターにご相談ください。