事例集

夫の借金が原因で別居したが、遺族年金の受給が認められた事例

公開日: 2024年4月 2日
更新日:2024年4月 2日

【当センターの事例】
無事に遺族基礎年金及び遺族厚生年金の受給が認められました。

事案概要

請求者:Aさん(妻)
故人 :Bさん(夫)

本件は、Bさんの死後、Aさんが遺族年金の手続きについてネットで調べていたところ、
別居していた場合は、生計同一要件を満たさなければ遺族年金をもらえないということを知り、
どのように手続きを進めていけばよいのか分からず、不安になり、当センターへご相談のメールを頂きました。

Bさんは数年前から消費者金融やカード会社から借金があり、その都度、返済をするものの、お金を借りる習慣が直らず、家計のお金にも手を出してしまった事が原因で5年前から別居することとなりました。Bさんが全ての借金を返済し、これ以上、お金を借りないと信用できる状況になれば、再び同居する予定でした。

別居期間中における生計同一関係(経済的援助・音信訪問)があったことを証明できるかがポイントとなります。
 

担当社労士による見解、実施したこと


別居しているケースにおいて、生計同一関係であったと認定されるためのポイントは、
 
単身赴任、就学又は病気療養等のやむを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき
(ア) 生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
(イ) 定期的に音信、訪問が行われていること

上記要件に該当する事を申し立てます。

経済的援助に関して、

①Aさんが家計を管理しており、Bさんのキャッシュカードを預かり、生活費を引き出していた。
②Aさんの住宅の水道光熱費がBさんの預金口座から引き落とされていた。

音信訪問に関して、

①音信は、電話やLINEでのやり取りがあった。
②訪問は、月に2・3回程度、主にBさんがAさんの家を訪れ、家族で食事をしたり、小学生の子供と遊んだりしていた。
③Bさんが病院に入院した際は付き添い、医師からの病状の説明を一緒に受けていた。

上記に関連する証明資料及び申立書を作成し、年金事務所に提出しました。

【提出した生計同一関係証明資料】

・通帳の写し
・ATM利用明細票
・水道・電気・ガス代の領収証
・電話のやり取りの履歴
・LINEのやり取りの履歴
・病状説明書
 
 

結果


無事に遺族年金の受給が決定しました。
解決期間は、1か月半程度でした。


 本事例のまとめ

別居していた妻の遺族年金の受給ポイントは、経済的援助と音信・訪問があったか否かです

借金が原因による別居に関しては、夫にはお金が無かったので経済的援助がなく、逆に妻が夫に援助していたというケースも見受けられます。
あくまでも、夫が妻に経済的援助をしていたということが重要です。

本事例に関しては、Bさんは借金はあるものの、会社勤めで給料があった為、借金の返済分を除いても妻へ渡せるお金があったことが幸いでした。

まだ小学生の子供さんがいるため、遺族基礎年金と遺族厚生年金を受け取れるかどうかで、今後の生活が大きく変わってくると思いますので、遺族年金を無事に届けることができて良かったです。

別居していた妻が遺族年金を受給できるかどうかは、やむを得ない事情というよりも、生計同一関係を証明できる資料の有無が鍵となります。

その為、「夫の借金で別居せざるを得なかった。」とか「私がこれまで夫婦生活を我慢して夫を支えてきた。」という主張よりも(お気持ちはわかります。)、経済的援助や音信訪問があったことについて主張していくことが重要です。※DV特例事案を除く

別居していたけど、遺族年金を受給することができないか?

このような事でお悩みの方は、初回無料相談で対応しておりますので、一度、当センターにご相談ください。
※生前対策は相談の対象外となります。
 

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