事例集

生計同一関係が窺えず保留、差し戻しとなったが再提出で認められた内縁関係(住所別)の事例

公開日: 2024年6月 4日
更新日:2024年6月 4日

【当センターの事例】
無事に遺族厚生年金の受給が認められました。

事案概要

請求者:Aさん・・・事実婚の妻
故人 :Bさん・・・事実婚の夫

本件は、Aさんがインターネットで籍が入っていない事実婚関係でも遺族年金を受け取れるという事を知り、
Aさんがご自分で遺族年金の申請書類一式を揃え、地元の年金事務所へ提出したところ、

「今のままでは、遺族年金の受給が認められません。一旦、保留扱いにして書類一式を差し戻しさせて頂きます。」と、
年金事務所の担当者から電話で連絡が入り、申請書類一式がAさんの元へ返却されました。

このままでは遺族年金がもらえないと悩まれたAさんは、
当センターのHPを見つけられて、ご相談のお電話を頂きました。

お二人はBさんが借主となっていたアパートで約7年間、同居されていましたが、
特に生活に支障は無かったので、住民票の住所を同一にせず、実家に置いたままにしていました。

Bさんが定年退職が近づいていた為、退職を待って、お二人は入籍される予定でした

事実婚関係で同居、住民票の住所は別という事例になります。
 

担当社労士による見解、実施したこと


まず、本事案は事実婚関係で「同居、住民票の住所が別」という案件となります。

認定基準によれば、生計同一関係の取扱に関しては、下記の通り

ア 住民票上同一世帯に属しているとき
イ 住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき
ウ 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき
 
(ア) 現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
(イ) 単身赴任、就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なっている
が、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき

(a) 生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
(b) 定期的に音信、訪問が行われていること

このうち、同居で、住民票上の住所が別の案件に関しては、上記ウの(ア)に該当することを証明する必要があります。

本事案に関しては、
Aさんは既に年金事務所に事実婚関係を証明する資料を6点程提出されていましたが、
改めて当方でお持ちの資料を確認すると、

≪自分では証明資料とはならないと思って提出していなかったという資料≫

がありましたので、それらを準備して頂きました。
 
事実婚関係及び生計同一関係を証明する資料を収集した結果、

・連名の郵便物
・Aさんに宛てられた郵便物
・公共料金の領収証
・家賃の振込明細書
・医療機関提出書類
・駐車場の契約書
・居住証明書 等

上記以外のその他の資料を含め合計21点の証明資料を揃えました。

また、Aさんが提出した年金事務所の担当者に連絡し、なぜ保留扱いとなっているか確認したところ、

「Aさんが提出された申立書では、お二人が同居して生計を同じくされていた状況が窺えなかった」

とのことでしたので、

当センターで、お二人がBさんの住所地で同居して夫婦同然の生活を送られていたことが伝わるように申立書を作成し、
それを裏付ける21点の証明資料を添付して、年金事務所に再提出いたしました。
 
 

結果


無事に遺族年金の受給が決定しました。
解決期間は、1か月半程度でした。


 本事例のまとめ

住民票の住所が別の事例については、
事実婚関係、生計同一関係が認定されるのが難しいケースが多く見受けられます。

申請書類を提出しても、保留→差し戻しになるケースはやはり、

同居していたが住所別、
別居で別住所

というケースのように住民票の住所が別のケースが多いです。

保留→差し戻しのパターンは、
「このままの状況では認められない」という、
年金事務からのメッセージの意味合いが多い(※不足書類がある等での差し戻しは除きます)為、
申立内容を伝わる様に見直す、追加で証明資料を出すといったことをした方が良いです。

そうすれば、一度、差し戻しにあったとしても再提出で遺族年金の受給が認められることはあります。

実際、当センターでも、これまで差し戻しからの再提出をサポートして認められた事案は何件もありました。

自分で年金事務所に遺族年金の請求をしたが、保留となって書類一式が差し戻された
このままでは遺族年金をもらえないんじゃないだろうか?


このような事でお悩みの方は、初回無料相談で対応しておりますので、一度、当センターにご相談ください。

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